プラネタリウム製作記

 個人で本格的なプラネタリウムを建造する。本来ならば不可能とさえいえるこの計画を完遂するためには、幾年もの歳月をそのためだけに費やすことを余儀なくされました。  最初は、製作に必要なものはなにも用意されていませんでした。環境も、設備も、資金も、技術も、ほとんどゼロからスタートしたのです。高校時代に蓄積したノウハウは、3号機の中ではごく初歩的なものに過ぎませんでした。プラネタリウムを作るために必要なもの、あらゆるキーデバイスの奥へ奥へ過程の中で、時に方向を見失い、プラネタリウムという目標がおぼろげになってしまうこともありました。

  それは、私がプラネタリウムを製作してゆく過程と同時に、私自身が成長してゆく過程でした。今から振り返ると、最初の頃の悩みは実に陳腐なものですが、当時は必死でした。本当に完成できるのだろうか・・時に不安に襲われながらも、しだいに技術を蓄え、一気に完成に向かって突っ走っていったと思います。

  ここで紹介するのは、そんな私がプラネタリウム作りに挑んだ過程の生のドキュメントです。