プラネタリウムを作ろう!!


この卓上プラネタリウムの企画は、高城武夫 著『切りぬく本・たのしい天体観測用具』(誠文堂新光社、1979年発行 現在は絶版)に記載のミニ・プラネタリウムの製作記事を参考に、1998年8月17日発売のPCfan誌(毎日コミュニケーションズ)に掲載の企画のサポートとして作成されたものです。

 
 いつでも星を見ることのできる魔法のような空間。それがプラネタリウムです。けれども、それを自分の家で簡単に作れたらどんなにいいでしょうか?ここでは、そんなささやかな夢をかなえてしまう卓上プラネタリウムの作り方を紹介します。 
 
 
 
製作するプラネタリウムの外観です
 
 
今回製作するプラネタリウムは、ピンホール式という最も簡単なしくみのものです。原理は、明かりを使って物の影を壁に映す影絵と同じです。投影機は、星座のとおりたくさんの孔をあけられた投影筒(シリンダー)の中に電球を入れ、電球の光を小さい孔を通して周りに映し出すことで星空を再現するしくみとなっています。 
 ただ、ひとつ重要なことは、地上から見る星空の見え方は不変ではなく、時間とともに移り変わっていくことです。これが有名な日周運動です。また、季節によっても見える星座が移り変わってゆきます。 
 このプラネタリウムには、簡単ながらそれらの星座の移り変わりを再現するしくみも備えられています。投影機のシリンダーの付け根には日付と時刻を合わせる目盛があります。シリンダーを目盛に合わせて回転させることで、何時の星空でも自由に再現することができるのです。 
 このプラネタリウムは非常に初歩的なものですが、星の動きを感じ、理解するにはじゅうぶんな能力を持っています。もちろん、星の美しさを居間で手軽に味わうことができるのが最大のポイントです。 
 では製作をはじめましょう。
 
お知らせ

これまで掲載してきましたGIF形式の型紙に加えて、より印刷が簡単なPDF形式の型紙も用意しました。併せてご利用ください。
PDF形式の型紙はこちら

 
 
以下、手順について本誌の内容を補足して説明します。
 
まずは、画像ダウンロードページから、PDF形式の型紙データをダウンロードするか、、GIF形式のダウンロードページから、プリンタで印刷してください。倍率をきちんと合わせることに注意してください(ダウンロードページ参照) 注)写真の型紙と実際のダウンロード画像とは若干構成が異なります。
印刷した原稿は、そのままでは弱すぎるので、ボール紙(工作用紙などがベスト)に木工用ボンドなどで貼ります。貼るとき、次のことに注意してください 
1)ボンドは全面に均等に塗る 
2)貼るときにしわが寄らないように注意する 
3)紙の目の方向に注意する。 

 紙の目というのは、紙が折り曲げやすい方向のことです。普通の工作用紙の場合、紙の目は長辺方向に走っています。したがって、支柱や円筒など、まるめる必要のある部分は、丸める方向と紙の目を揃えたほうが作りやすくなるのです。

型紙を切り抜きます。はさみでもカッターでも、使いやすいもので切り抜いてください。切ったら、折りしろは折り曲げておいてください。
シリンダーのパーツに星座の孔をあけます。表面の黒い点に合わせて、千枚通しであけてゆきます。大きさも黒点の大きさと同じようにします。下には発泡スチロールなどを引くと作業しやすいです。大きな孔はつぶれやすいので、裏からもう一度千枚通しを通し、ボンドですこし固めておくと長持ちします。一番面倒くさい作業ですががんばりましょう(^_^)
まず南極側に、目盛筒をとりつけます。目盛板(細長い青いもの)を丸めて、折りしろを広げておきます。つぎに、南極板(ドーナツ状のもの)に取り付けます。このとき、目盛筒と南極板の黄色い矢印同士がぴったり付き合うように注意してください。これが狂うと、日付や時刻と、実際に映し出される星空が一致しなくなります。
シリンダーを組み立てます。だいたい誌上を参考にしてもらえばいいですが、ひとつ注意することは、パーツ同士の位置を合わせることです。パーツにはそれぞれ、位置合わせ用の番号がふってあります。同じ番号同士が合うように組み立てるようにしてください。(左図参照) 赤道が2枚、南極と北極が各1枚あります。
架台を組み立てます。支柱をまるめて、電球円板を取り付けます。支柱を丸めるとき、シリンダーがちゃんと入るか確認してください。 電球円板に電球をさしこみ、リード線を支柱の反対側まで通します。リード線の長さが足りないときは、余ったリード線で継ぎ足します。
電球をつけた支柱を台座に取り付けます。台座には、適当な大きさの角材などが適当です。架台の組立は、左図を参考にしてください。
電球と電池ボックスの配線をします。接続には半田付けをすると、接触が確実になります。
最後に架台にシリンダーにはめこんで完成です。暗い部屋でスイッチを入れると、部屋いっぱいに星たちが表示されます。目盛版の時刻と日付の目盛を合わせることで、一年の星座の移り変わりや日周運動させることができます。 
では投影してみましょう。まず知らなければいけないのが方角です。投影機のシリンダーが向いている方向が真北になります。これで残りの方角がどちらになるかはわかるでしょう。では、星空の世界をごゆっくりお楽しみください。(画像の星空はハメコミ合成です) 
 
もっと発展させたい人のために〜
  プラネタリウム製作の参考リンク

いかがでしたか?自分で星空を作り出せるプラネタリウム作りの楽しさの一端が味わっていただけたことと思います。なお、今後さらに発展させたいと考えている方のために、参考になるサイトをいくつか紹介しておきます。プラネタリウム作りに取り組んでいる人々は大勢います。これらのホームページを以下に紹介しておきます。 

koba's planetarium 
  ピンホール式のプラネタリウムの製作例、作り方の解説です。原理から計算例まで非常に丁寧な内容で、今後より発展させようという人は必見です。 

あすてえる  
 新潟大学の天文部の自作プラネタリウムを紹介しています。本体や補助投影機の解説などあります。 

天文愛好会CORE  
愛知教育大学の天文同好会のホームページ。自作プラネの構造、回路などの説明が豊富。他の自作プラネへのリンク集もあります。 

大平の自作プラネタリウムのホームページへ 
 

 
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 webmaster@megastar-net.com
 
 
PCfanのホームページ

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