2002年4月1日
ギガスター完成
パルス核融合新光源。直径1キロメートルに対応
大平氏は、現在運用中の移動式プラネタリウム「メガスター」の次代機「ギガスター」の恒星球の開発を完了、投影試験を開始した。
GIGASTARは、17等級までの恒星およそ10億8千万個を投影し、その数はMEGASTARの630倍に相当する。また、パルス核融合方式の光源を内蔵し、直径1キロメートルまでのドームに投影可能な能力を持つ。このドーム径は2002年現在、世界最大級。

本体の直径は3.5メートル。230個の投影レンズと恒星原板が内蔵され、中心の光源を取り囲んでいる。中心の燃料ペレットを、合計196本の固体レーザで照射、毎秒16回の周期で核融合反応を起こす。開発で困難を極めたのは、安定して大光量を得る点火レーザと、熱核反応によって放射される強度な中性子線を遮蔽する液体シールドの開発であったという。リチウム水溶液を石英球製の炉心内面に遠心力で循環させ、中性子線による材料劣化を防ぐ技術を2年がかりで開発した。「客席での被曝線量は、中央座席で1時間あたり3マイクロシーベルト。ほぼ問題ない値」とのこと。

1号機は生田工場でほぼ完成、テストを開始している。次なる課題は、これを使用するドームの建設だ。開発者の大平は、「心配には及ばない。既に南米に極秘裏に直径1.2キロのドームが建設中だ。これは映像シアターでなく、それ自体がひとつの都市だ。プラネタリウムの概念を根本から覆すことになるだろう」とコメントしている。大平氏によると、さらに「直径10キロのドーム対応のテラスターの開発も開始した」そうだ。

建設中のキロドーム