2004年4月21日
メガスターII 日本科学未来館に常設、7月より公開
世界最多の恒星数500万個ほか大幅に機能強化の特別仕様機

大平の開発したスーパープラネタリウム「メガスターII」がついに常設される。会場は、お台場にある日本科学未来館(東京都江東区青海)で、メガスターシリーズの初の常設館となる。一般公開開始は2004年7月11日から。圧倒的なリアリティを誇るメガスターIIの星空が、都内の一等地に常設の場を得て、さまざまなテクノロジーと融合し、コンピュータグラフィックスによる全天映像や立体感あるサウンドと融合して新しい宇宙像を作り出す。詳しい上映タイムテーブル、内容等は追って発表される予定だ。詳細については日本科学未来館のサイトおよびプレスリリースを参照されたい。

日本科学未来館ホームページ

同館からのプレスリリース

メガスターII-Cosmosとは
メガスターIIは、昨年5月に大平貴之によって個人開発されたプラネタリウムである。通常の大型プラネタリウムの500倍に相当する410万個の恒星を投影でき、星空のリアルさ、臨場感は他に全く類をみない。前代機「メガスター」の特長を継承し、大型ドームに対応できる第2世代機として2002年に開発開始、2003年5月に1号機「フェニックス」が完成、東急文化会館8Fドーム(旧:五島プラネタリウム)で初公開され、わずか18日間で3万人を超える動員を記録した。
今回、日本科学未来館に設置されるのは、このメガスターIIをもとに、同館と共同開発でグレードアップされた特別仕様機「cosmos(コスモス)」である。恒星数を500万個に引き上げて精細度をさらに高めたのみならず、星の色表現の強化、新開発の惑星投影システムを装備、デジタル映像とのハイブリッド化で多彩な演出も可能とした最新鋭の特別仕様機である。これまでメガスターの能力を発揮してきたヒーリングや空間演出に加え、プラネタリウム本来の天文学的シミュレーションや学習投影まで、さまざまなジャンルや内容の上映が可能となった。

毛利館長と大平(メガスタードーム内にて)

2002年、日本科学未来館で実施した自主公演が、宇宙飛行士であり同館館長である毛利衛氏の目に止まり常設化の構想が浮上した。「スペースシャトルから見た星空に最も近かった」という。
メガスターIIを導入する日本科学未来館
臨海副都心にエンターテインメント施設が集結するお台場に位置し、「科学を文化にする」という新しいコンセプトを実践する科学館である。文部科学省の独立行政法人、科学技術振興機構(JST)が運営しており、各方面のスペシャリストや民間の力を多用したユニークな運営形態や宇宙飛行士の毛利衛氏が館長を務めることなどで話題になっている。このような大規模施設に個人開発のプラネタリウムが常設化されるのは極めて異例のことである。

もともと7畳間から始まった大平の自作プラネタリウムは、いよいよ常設館を得て新しい段階に突入する。日本科学未来館では、常設ならではのメリットを生かしていっそうクオリティの高いコンテンツ制作や上映を進めていくと共に、メガスターの活躍の場を広げてきた移動公演活動もさらに展開し、常設と移動の両面でメガスターの新たな可能性を開拓してゆくことになる。

メガスターのこれまでの主な沿革
1998年6月 メガスターをIPSロンドン大会で初発表
2000年12月 スパイラルガーデン(表参道)にて国内初公開
2001年10月 WAC2003(米国オレゴン州)にてメガスター実演
2002年9月 日本科学未来館でメガスター公開 火星飛行番組
2003年6月 メガスターII-1号機フェニックス完成。渋谷東急文化会館で公開
2003年8月 横浜にて松任谷由実、毛利衛とのトークショーで50万年前の星空再現
2003年11月 メガスターII、川崎市青少年科学館で一般公開
2003年12月 メガスターII、日本科学未来館で一般公開 クリスマスイベント
2004年2月 メガスターII-2号機「ミネルヴァ」完成
2004年2月 福岡市三菱地所アルティアムにてメガスターIIと大平の展覧会
2004年2月 青山円形劇場にて、Kiroroのコンサートとコラボレーション
2004年4月 川崎市青少年科学館にて、メガスターIIの通年公開が開始