2004年12月19日
メガスターIIcosmosがギネスに認定
世界で最も先進的プラネタリウムとして
ギネス認定を発表する大平(左)と、毛利館長(右)
(撮影:和田孝志)

大平貴之と日本科学未来館(東京都江東区)は、両者の共同開発で現在同館に設置上映中のメガスターII-cosmosが、このほどギネス(ギネスワールドレコード)の世界一のプラネタリウムとして登録されたことを、本日、同館で開催されたトークショーイベントの中で明らかにした。
レコードの項目は、

    「The world's most advanced planetarium projector」
          (世界で最も先進的なプラネタリウム投影機)

となっており、世界最多の恒星数のみならず、世界最高峰のプラネタリウム投影機として、名実共に認められたことになる。

恒星数を肉眼で見える範囲に留めず、飛躍的に増やして天の川も星の集団で再現し、星空のリアリティを生み出すコンセプトは、1998年、メガスター1型ではじめて具現化され、2003年に発表したメガスターIIでさらに磨きがかけられ、その先進性は世の広く知れ渡ることとなった。

 メガスターII特別仕様機「cosomos」開発と共に、日本科学未来館ではこの世界一の記録を申請することとなったが、この開発成果にギネス側も強い関心を持ち、世界で最も先進的なプラネタリウムという新たな項目を加えての、一位認定となった。


大平の感想:
今回の認定には正直驚いた。恒星数が世界一であることは自明だったが、先進性という総合的な評価軸で認定されるとは予想しなかったからだ。数値での世界一を記録することが多いギネスの中で、かなり主観的な尺度であると思うし、プラネタリウムには米国を中心とするデジタル化への流れをはじめ、恒星数以外の様々な価値観が存在するのも確かだからだ。しかし、時に画一的になりやすいプラネタリウムの技術開発の中で、メガスターのアプローチは他に類をみないものであり、それがが多くの人々に無二の感動を沸き起こすことができているのも事実なのだ。今回の認定は、こうしたメガスターの独自性(オリジナリティ)と、それがもたらした新しい価値、そして将来性が認められたと受け止めている。

現在「メガスタータイプ」と呼ぶところの恒星数100万個級のプラネタリウム投影機は、大平により開発製作された一連のメガスターシリーズのほかはほとんど存在しない。しかし他社からも銀河を再現するため数10万個の恒星数とした製品が現れるなど、そのコンセプトは確かにプラネタリウム界全体に影響を与え、拡がりを見せつつある。大平としては今回の認定を機に、さらにメガスター技術と応用に磨きをかけ、次の課題であるデジタル映像技術との融合により、メガスターコンセプトをリードし、さらに魅力的なプラネタリウムとして発展させてゆきたいと考えている。