スピリットの1で、なんでプラネタリウムを作るのか、少し書いたけど、自分でもわけがわからん終わり方をしていた。今回はその続きを書きたい。
アストロライナーは、このHPでこれだけ紹介しておいてなんだが、もう公開することはないと思う。いろいろな事情で各部にダメージを受けてしまったとか、いろいろな理由がある。時々このHPを見た人などから移動公演の問い合わせをいただくが、事情を話して断っている。せっかくの話なのに惜しい。もうしわけないことだ。 ところで、すでにこのHPでも紹介しているが、新しいプラネタリウムを作っている。製作はまあまあ進んでいるが、それに使う新しいレンズの性能テストをするために、光源が必要になった。そこで妙案。アストロライナーの恒星投影機を流用することにしたのだ。通電すれば光源が光る。これをそっくり光源ボックスに使ったわけだ。 重さ15キロ、直径40センチの投影機を7畳の自分の部屋に持ち込んだ。16個ある投影ユニットのひとつをはずして、そこにアストロライナー2のレンズ(サンプル)を組み込み、投影テストをしたわけだ。結果は上々で、驚くべきシャープな像を結んだ。 さて、このアストロライナー、恒星投影機だけは保管状況がまあまあ良い。原板も入ったままで、星も立派に映る。一部に映った新型機の星像の周りには、みなれた今までの星たちが映るのだ。 投影テストは部屋の明かりをある程度灯して行ったが、一連の作業を終え、ふと明かりを消してみた。するとどうだろう?部屋いっぱいに無数の星空が現れるではないか! プラネタリウムは丸いドームに星を映すように設計されている。四角い部屋では星の位置も星座の形もめちゃめちゃになってしまう。だけど、そんことさえ気にしなければ、部屋の中は満天の星空だ。しかも、10メートルの空間に星を映す能力のある投影機だ。7畳の部屋など、星でぎっしり埋め尽くしてしまったのだ。・・すごい。 私は、投影機を置き、星を映した状態で部屋に寝転がってみた。自分の頭上に光っている満天の星たち・・・・ そうしているうちに、しばらく忘れかけていた、自分がプラネタリウムを作りはじめた頃の心が、鮮明に蘇ってきた。
そんな他愛もない夢から、プラネタリウム造りを始めたはずだった。 夜光塗料の星に始まり、ピンホール式の紙投影機、高校時代の1号機、2号機・・そして3号機アストロライナー・・・規模と性能は回を重ねるごとに進化していった。けれど、実は、本当に欲しかったものから、どんどん遠ざかってしまっていたのではないだろうか?
それが、今ここにある。 15年以上も前の、小学生の頃の自分が、まさにこの部屋の中で思い描いていたことが、思いもかけず、いま、実現しているのである。
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1997年8月27日 |